豆つぶやき

【豆つぶやき】 『サービス』と『アプリケーション』の違い。


 アプリケーションという言葉を技術の世界からPRの世界へ引っ張り出したのはおそらく「iアプリ」という名称。コンテンツを利用するソフトウェア程度の意味だが、流行に押されて誰もがアプリアプリと言い出した。

 言葉が一人歩きすると意味が多様化し、便利な半面、不明瞭になる。『マーケティング』という言葉もそうだった。曖昧、うやむやなビジネス用語。

『サービス』という言葉は古めかしい。『アプリ』が新しい。その言葉を使えばモバイル業界人ぽく見える。ギロッポン

 本来、アプリは、サービスの一部である。サービスを成立させるためのツールである。アプリを用意するだけではサービスにならず、サービス作りのためにはもう少しいろいろと汗をかかなければならない。

 でもたまにネット・モバイル業界では、アプリを用意するだけで、物事がうまく進行し、自然とサービス化する場合がある。おいしい流れ。それを狙いたい。サービス作りはしんどいが、アプリなら、用意できそう。

 そう、これからの新しい時代は『サービス』はアプリ、『アプリケーション』のこと。そのセンスが新しい。どこからか持ってきたアプリを少々カスタマイズして端末に乗せ、あとはさあみんな使ってくれ、流行らせてくれ、儲けさせてくれ。

 アプリだけじゃ駄目と言われても分からない。もっとサービスに必要な協力者を巻き込んでいかなければと言われてもそんなことやったことない。ビジネスモデル? ユーザーから金を貰う。以上。アプリならそのへんに転がっているから用意できる。

 ビジネスなんだからさあ、手離れよくやらなきゃ。俺達はインフラ屋なんだよ、わかってる?
 …それは、テラダ副本部長だけでなく、ウィルコム上層部の消極的な認識でもあった。知らないこと、やったことないことはやりたくない。


 そんなわけで『サービス』は即ち『アプリケーション』なのだった。アプリを用意さえすれば、サービスについて考慮し、対策を打ったことになった。そう、これはプラットフォームビジネスなのだよ(違うけど)。それなりに格好良く見せるための言葉はIT業界にごろごろしていた。【豆つぶ 終り】



【言葉】 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…(電通 鬼十則5 電通社員の行動規範)



手離れよくやれ(ウィルコム上級管理職)



 手離れよくやれ、というのは、ウィルコムに限らず、インフラ屋である通信事業者にはありがちな考え方だが、ウィルコムの場合は、さらに、

 お金とスキルがない→手離れよくやる(中途半端にする)→失敗しまた金を失う。ノウハウも身に付かず。デフレスパイラル




 時間は少し戻り… D4発売の3カ月前の2008年4月、ナローバンドのPHSに代わる、ウィルコムの将来を担うワイヤレス・ブロードバンド「次世代PHS」事業の立上げを推進するため、次世代事業推進室が、サービス開発本部内に新設された。


(2010年3月22日分まで掲載)