予告された倒産の記録 その14
■ オープンドアポリシー
曇天続きの内容ですが… つぶやきながら気づいたのは、ここまでのデフレな積み重ねがないと会社というのはそう簡単に倒産しないものだ、ということです…
でも、ハニービーが売れましたね。もう少し後で触れる予定です。
【news】「日航、リストラ前倒し」「1万6400人減を1年で」(4月7日の日経) → 会社更生法の重み。乱脈放漫経営で倒産したことの罪。
【豆つぶ】
ウィルコムには「オープンドアポリシー」というものがある。
「いつでも(心の)ドアをあけて、階級こだわらず当事者同士で話し合っていい仕事をしましょう」という意味。
が、社員は皆、これを「建前」だと思ってる(実際に「建前」なんですが)
だから、誰も真正面から話をしようとしない。まるで「真正面」は罠か何かのように感じ、傍流のやり方に終始する。そういう仕事のやり方が染みついてしまっているから、社内はいうまでもなく、社外交渉も変なふうにこじれる。
傍流、とは、仕事分野以外で相手の弱みを探したり、有無をいわせない圧力をかけられる方法を探したり、といったことだ。
なぜこんなことを呟いているかと言えば、ウィルコム社員1名が、このツイートに対し、色々と画策しているというネタが入った。そういう人のためにわざわざ連絡先のメールアドレス(willcomreal@gmail.com)を公開し、ドアを開いたのだが、その人はこちらへは何も言ってこない。
そのかわり、ツイッターのIDを作り、「willcomrealが誰か知っている」とし、嘘を並べたてて便乗、もしくは煽るという陰湿な手段に出たが、心あるフォロワーから突き放されたり、誰にも相手されなかったため、どうやら圧力をかける方法に切り替えたもよう。
このツイートの方針は、今のところツイッターのルールに抵触していませんが、はたして運営会社がどのような判断をするか? フェアな運営ならば「メアドも公開してるし、まずは当事者同士で話し合ったら?」となるのが良心的なメディアに思われるが、あるいは有無をいわせずアカウント停止になるか。
既存メディアの脱却進化として注目される新しいメディアの「ツイッター」。どのようなルール運営をするのか? 思わぬところから話が面白くなったので、経緯報告をツイートしました。これこそまさにリアルタイム。
現在は、何の連絡もありません。少々様子見です。もし強制停止された場合は、すでにツイートしてありますとおり、名前を変えて、「フィクションとして」、続けます。
それにしても… 妙な画策をしている暇があったら、
会社の現状、社会にかけた迷惑を真摯に受け止めて、もっと誠意ある仕事をしろよ
と、言いたいものですナ、マッタク。
【豆つぶ終り】
【news】「ナイキがウッズCM解禁」「何か学んだか?」http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010040801000216.html
→ナイキさん、ぜひウィルコムのスポンサーに!!
【豆つぶ(続き)】ツイッターでwillcomrealを煽ってむやみな誹謗中傷をしたウィルコム社員さん、あわててアカウントを削除されてますが、データは保存してありますぞ。ご留意を。
早期退職募集がいつ始まるか、事実上の整理解雇なのか、という心理状態で日々過ごす中でのストレス発散だった、のかもしれませんが。
桜のはなびらが、晴天の川面をいちめん埋めつくしている。ミルキー・リバーだ。
近寄って眺めると、大きな動物の皮ふのよう。
■ 自称ダイナマイト男、空回り、無自覚ゴッコ、 ……おまけ(更生への光 「だれとでも定額」)
【前回のあらすじ】テラダ副本部長は、消極的な反抗をするシモム室長を飛び越し、部下のマシタ氏に電子新聞に関する業務指示を出した。同じとき、バキンゼMtgに出なくなったタソモト氏へ、ウミナガ氏が笑顔で話しかけた。「あれ、君もMtg出ない組になった?」
タソモト氏は、バキンゼMtgをウミナガ氏のように外されたわけではなかった。
ウィルコムの株式上場や資金調達のための資料作りを経営陣に指示されたためだ。
が、それを口実にしてこれ幸いとタソモト氏はバキンゼMtgから遠ざかった。あのMtgは時間の無駄以外の何物でもない。
ただ、ウミナガ氏の奇妙な満面の笑顔に対し、自らMtgを外れたと言うのはうまくないようにタソモト氏は感じた。
上場関連の仕事も黙っていた方がいい。適当に話を合わせていると、ウミナガ氏は言った「俺はこう言ってはなんだが、ダイナマイトだから!」。「は?」
ウミ 「俺が本気になればあんなもんじゃない。世の中ひっくり返る。少なくとも大炎上になる。だから言わずに黙っているけどね。大人だから」
タソ 「はあ、それでダイナマイト…」
ウミ 「そういうこと」
タソ 「どうしてウミナガさんはそんな情報を?」
ウミ 「そういう情報網があるってことで。こちとらダテにマスコミを長くやってるわけじゃない」
タソ 「はあ、マスコミですか…」
自席へ戻っていくウミナガ氏の背中を眺めながら、タソモト氏は思った。
(マスコミオタクの自称ダイナマイト男)
ああいう人に情報を渡すのが一番危険だ。注目されるために何でもやるタイプ。黙っていて良かった。これからも気をつけよう…
2008年度中、ウィルコムは秋を目途に上場準備を進めていた。
社員たちは知っていた。「上場できないらしい」という噂も、夏にはリアルな重みを増し始めていた。
経営陣は、アポのとれた(金がありそうな)企業を密かに訪問した。鉄道、金融、不動産、コンビニ大手など。その度に、同じ話が繰り返された。「何か共同の事業でもあれば(出資も)検討しやすいんですがねえ」
その度に、タソモト氏の資料作りは増えた。「先方が金を出したくなる共同事業を考えろ」。そんな無茶な。時間もないし不得手な仕事だ。作って出すと、シモム室長は社内調整が難しいから、もっとそうする必要のないものを、と殿様的な注文をつけてくる。
次世代PHSの技術的課題も、解決の見通しさえ立たないものが山積み。そんな状態でありながら、次世代PHSを社外へ大きくPRし、出資を得ようとする。社内と社外で次世代PHSにできることの認識がズレているのだから、共同事業なんか企画できるわけがない!
珍しくタソモト氏は上司に対してキレた。が、慣れないことなので、意見をするにも、どもった口調になってしまう。
後で、同じく傍で聞いていたサロ氏に、シモム氏は言った。「タソモトさん、彼、ちょっと話し方が変だね。何言ってるかわからないというか。帰国子女だからかな」
「キャプテン事件」のときに、うちには優秀な中堅若手社員がいない、と言ったキクガワ氏と同じ考え方だった。
事業やお客様は二の次。責任転嫁のことしか頭にない。
ウィルコム流? いや、ダメな会社の典型的事例だろう。
出資交渉は空回りを続けた。
「何か共同事業を」という宿題だけが次推室へ落ちてきた。しかし、それは先方が出資を体よく断るための方便であると、経営陣もシモム室長も思っていたため、やっつけ作業のようになった。
それに、次世代PHSは社外どころか社内にも言えない課題だらけ。
そこで出てきたのが、「次世代PHSを視野に入れての、ひとまずは現行PHSを使ったサービス」という論理展開だった。
この(ヘリクツ)論理、苦肉の策は、社内調整の際や社外への商談コメントとして、社員の間でメジャーになってゆく。
というか、もはや、それしかなかったのだ。
次世代PHSの夢を語り、大言壮語だとしても、それ自体を直ちに悪いとはいえない。
問題は、夢の実現へ向かう真摯な姿勢があったか。そのままでは大惨事になることを、見ザル聞カザル言ワザルの殻にこもり、批判と責任を恐れ、志なく、逃げ道探しで頭がいっぱいでなかったか。
道に落ちていた1万円札を、悪いと知りながらネコババするのは凡人。
自分が落としたと自分に思い込ませてネコババするのは悪人。
嘘をつかなければならない立場でも、その内容を正しいと自分自身に思い込ませれば、嘘でなくなる。ボクハ嘘ヲツイテイナイ…
別の言い方をすれば、ポジショントーク… 立場が変わればものの見方も意見も変わる。
そういうものだから嘘をついたと言われても、こっちにそんな自覚はない…
無自覚を装う責任逃れの姿勢。 (ドドーーーン!!!)
それが「悪人」と言われてもしかたのない、根深い意識の問題。
稲盛さんや前原国交省が言うまでもなく、世間が注目しているのもまさにその一点。
『抜本的な意識改革』
一切のごまかしなく、きちんと問題点を洗い出し、覚悟を決めて改善できるか? そのために何をするか?
被害者意識を膨らませて、世間が悪い、環境が悪いと批判するばかりでなく。
謙虚に、虚心坦懐に、耳と目をひらいてはどうだろうか。さすれば、問いかけてくれる人もいるはず。「何か学んだか?」と。
きっと、孫さんが… (どどーーん!)
建設的な代案を示せずに批判ばかりする人は、生涯リーダーに成れない。なってはならない。
私は、あらゆる批判を有難く受け止めたい。それは、私を鍛えてくれるから。−−孫正義
純減続きなんのその。PHSは300万ユーザーを下回ったこともある(そのときの社員数は今より少なかったけれども…)。変われれば、今がチャンスの時。
【news】「ウィルコム沖縄、国内通話定額のオプション」「だれとでも定額」http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1004/09/news079.html
【news考察】
「だれとでも定額」。なぜ沖縄だけ? テストマーケティングか。テストマーケティングとは全国を対象とする前に中規模の商圏でお試しリリースし、顧客の反応をみようというものである。消費財やお菓子等でよく使われる手法であり、名古屋、札幌、横浜あたりで行われる。なぜ沖縄で? もう一つ思いつくのは、ウィルコム沖縄はウィルコムの子会社ながら、会社更生法の影響を受けないという立場にあるらしいこと。
公的資金を注入されたJALがダンピング(安売り)の注意を国から受けた。ウィルコムも通話割引のダンピングをやれば、同様の注意を受ける。公的資金の融資の話もなくなる恐れがある。
そりゃそうだ。税金を投入され、安売りをしてユーザーを獲得する。競合会社でなくとも、変な話だと思う。市場主義も公平競争もへったくれもない。では、「だれとでも定額」は果たしてダンピングか?
ダンピングといわれる可能性がある。だから沖縄でやる。ウィルコム沖縄なら会社更生法の影響を受けない。つまりダンピングと指摘されない。親会社のウィルコムは公的資金の融資を受けられる。という筋立て。
その筋立てが世間一般に通用するかはともかく、「だれとでも定額」、オプションでなければいいのに、と思う。変な条件をつけて敷居を高くしているのが残念。それさえなければ、「24時間通話無料」以来の、大ブレイクになるのではないか。
沖縄でブレイクすれば、当然、本土でも、全国展開! という話になる。が、それをやればダンピング→公的資金の融資断念。が、「だれとでも定額」は全国でも間違いなくブレイクする。莫大な顧客を抱える競合他社が簡単に真似できないサービスでもある。
かつてのソフトバンクのホワイトプランのように、あるいはそれ以上のインパクトでユーザー数が右肩上りになれば、銀行団や投資会社も態度が変わる。ウィルコムさん、もっとお金貸しましょうか、となる。まっとうなビジネス、健全な会社経営のあり方が見えてくる。
ところが一つ大きな問題が。「だれとでも定額」は、おそらく他の通信事業者等へ支払う接続料や通信料をウィルコムが負担する仕組み。ユーザーが増え過ぎたら、増えれば増えるほどウィルコムの負担も重くなって困るのだ!
だから大ブレイクされたら困る? それよりは沖縄限定に留め、確実に公的資金の融資を受けたほうがいい? ここは経営判断の腕の見せどころだ。
「だれとでも定額」は、ウィルコムが極めて珍しく、本来の正しい道へ戻ってきたように思える。全国展開は正攻法だ。
課題があるからといって止めてはいけない。正しき道の途上にある困難は、道を引き返すべき壁ではなく、乗り越えるべき試練にすぎない。
「だれとでも定額」がブレイクして、ウィルコムの負担が増えるなら、構造を変えればいい。業界のルールを変えればいい。その努力をする方向で仕事をすべきだろう。
ダンピングだと? だったら公的資金なんかいらねーーーっ!! と言いたいでしょう?
「だれとでも定額」は、それができる可能性を秘めている。妙な思惑や社内論理で縮小均衡してしまわなければいいが…
それに、この「だれとでも定額」は、ウィルコムの若手社員とトップがダイレクトに繋がって実現したもの。そういう実例を次々に作っていくことが、社員の意識改革にも多大な貢献をする。これ、ひっそりとリリースしてますが、まさに勝負どころですぞ! クボタ管財人代理どの!!
【news考察終り】
クボタ管財人代理……2009年8月に、キクガワ氏に替わり、ウィルコムの社長となった。他の会社からやって来た。2010年2月、会社更生手続き開始の申立てと同時に社長を退任。管財人代理となる。2010年4月10日現在、ウィルコム事業の代表執行役員でもある管財人代理。
さて、脱線から戻ります。2008年、夏…
次推室の新メンバの1人であるサイジ氏は、業務運用・CS(カスタマ・サポート)分野における、幹部候補の若きエースだ。
(2010年4月7日〜10日分まで掲載)